OSSの生活史 第一集 第二篇 一歳の時に、パソコンにお茶をかけて壊したらしいんですよ 語り手=岡本晃朋 聞き手=大川貴久 2026-07-17 46分20秒 ──はい、ありがとうございます。じゃあ始めていけたらって思ってて。まず簡単に、岡本くんがソフトウェアとか、そういったものを触るきっかけとか、そういったものが何だったのかとかって、覚えてたりしますか。その足取りというか。オープンソースとか、コーディングとか、そもそもそういうところから。  パソコンとか、昔から家にあったから触ってた、っていうのが一番正しいですよね。なんだろうな。なんか、まあ、両親から聞いた話で、僕はね、パソコンにお茶をかけて壊したらしいんですよ、一歳の時に。  一歳の頃からもう家にあって、ずっとあったらしくて。逆に言うと、壊れたパソコンを自由にいじらせてもらえたんですよ。だからそういうので、分解して基盤の知識をつけたりだとか。新しいパソコンとかも使い、ずっと小学生から使っていて。なんかは、プログラミングとかにも自然に触れるような環境にいたかなとは思いますね。回答になってますかね。 ──あの、本当に、全然雑談だと思ってもらって。なんで、じゃあもう小学校の頃とかから、もう全然プログラミングとかやってた感じですか。  そうですね。なんか、ずっとやってましたね。最初はいわゆるブロックプログラミング、Scratch とか、そういうものもやってたけど。それよりは普通に Arduino だったりとか、ああいうものを使ったハードウェア。今も結構やったりしますけど、ハードウェア系をもともとやってましたね。  動くと楽しいですから。 ──なるほど。そうですね。もう、ハードウェア系は。 ──えっと、で、結構その、全然そういうことを進んでっていうところで。ハードウェアもやりつつ、ソフトウェアとかもやってるような。その、例えば GitHub とか、そういうのとかって、何がきっかけで使い始めたとか、そういうのは。  はいはいはい、ありますね。なんか GitHub を使い始めたのは、単にプロジェクトマネジメントのツールが欲しいなっていうのと。中学か何かの時に、自分のプロジェクトを同じ部活の人に共有しないと、みたいなことがありまして。そういうところで知ったんですよね、Git っていう存在を。もともとはオープンソースとか、単純に自分の作ったものを公開する場所としてだけ捉えてましたね。 ──でなんか、その、結構コミュニティにたくさん入ってるイメージがめちゃくちゃあって。その、今回の話を聞こうと思って、RVC とか以外もいろいろ幅広く入って。そういう情報って、どっから持ってきて、なんか入るとか。初めて入った時とか、覚えてないかもしれないんですけど、覚えてたりとか。  結構覚えてます、最初に入った時は。そうですね、入ったのは、私もともと映像制作とか、作曲とかをずっとやっていて、そういうコミュニティに入ったのが最初なんですよね。例えば作曲コミュニティとか入ったら、音源のプラグインとか自作してる人とか、エフェクターとか、やっぱりいるんですよね。ハードウェアもソフトウェアも。そういうところで、エンジニアのコミュニティの方にもどんどん参入していったって感じで。  そういうふうなサーバーって、通話ベースでいろんなことを話しますから。そこで結構インターネットに慣れていったかな、という感じがしますね。インターネットが、高校生になるまでなかった人間なので。そういうところで。 ──そういうコミュニティの入り方っていうのは、なかなか経験してなかったんで。そういうところが、なるほど、あるのかなっていうのが。その、調べた感じだと、高校生の頃からいろいろ結構やられているのかな。高校生の頃からの実績とかがたくさん出ていたりとかっていうところで。高校生の時は何をやられていたのか。特にオープンソースだけじゃないんだけど、自分の活動としてどうやってきていて。 ──じゃあ、オープンソースとかだと、今オープンソースっていうところで RVC の話とかをよくしてたりとか。それに関わったきっかけとかって。  覚えてますね。関わり始めたのは、コミュニティの方で流れてきたのが一番最初なんですよね。いわゆる Stable Diffusion であったりだとか、そういうようなクリエイティブに AI が本当に流れ始めた時で。私は普通に論文とか読んでるだけだったんですけど、そういう時に、オープンソースとして公開された音声合成ライブラリだって。  めちゃくちゃコードが汚くて、読めなかったんですよね、正直。自分って、こういうふうなところにぜひとも参画して、そのプロジェクトをより保全していきたいな、という気持ちがあったので。ある意味の承認欲求かもしれないですけど。最初はコミットをしだしたのが最初ですね、あのプロジェクトは。 ──えっと、もうそれからどれくらいやられてます。結構もう。  そうですね。なんか高校生か中学生か忘れましたけど、結構やってますね。で、なんか今日ボスがまた、なんか久しぶりに、あれ、プルリクエストをマージしてたので、ちょっと、お、って思ってたんですけど。まあ、一応、二年くらい前に開発を終了してアーカイブしようかな、みたいな話があったんですけど。なんか勝手に動き出してるので、どうなってるのか、ちょっと私も覚えてませんが。 ──そんな感じで。プルリクとかは結構出してる感じなんですか。全然、結構出してたり、っていう。  そうですね、結構プルリクは出してると思いますね。もちろん、普通の開発者とかに比べたら少ないとは思いますが。どこでいくら出したかって、見れないと思いますけど。 ──そうですよね。  RVC とかだったら、結構コード書いた記憶だけはあるんですけど。コードを書いた、コミット数だったら見えるのかな。コミット数にして一一一コミットか。RVC だけですけどね。RVC だけで書いてますね。  これ、なんかあれ、いわゆるスカッシュマージだけど、覚えてないですけど。その PR 一件につき一個のコミットになっていたと思うので。そんなに PR を出した記憶ないんだけどね。分かんないです。 ──ここを見て汚いから保全したいっていうのは、なかなかすごい。パッと見た時に、そんな何か思うぐらい汚かったというか、改善できるなって自分で思った、って感じだった。  私だったらできるな、っていうのが。単純に、技術にすごい興味があって。中身、いわゆる論文がなかったんですね、あのプロジェクト。今もないんですけど。  なんか中身どうなってるんだろう。なんか敵対生成、じゃないわ。えっとね、なんだっけな。ベクトル量子化を使ってるんだ、みたいなことがライブラリから見て分かるんですけど。あと、あれ、VITS っていうふうな、また別の音声合成をベースにしてるとか分かるんですけど。なんかその時代で多分、一番フロンティアなくらい性能が良かったので。これってどうやって、そういうふうな性能を実現しているんだろうか、であったりだとか。そういうところに興味を持ったのが最初ですね。 ──すごい。すごいよね。なるほど。今、研究してたりとか、そういうところに直接的に関わってるっていう感じなんですか。  RVC とかで見つけた技術とかですかね。そこら辺、結構関わってると思いますね。  昔からコーディングとか、機械学習とかも。高校に、なんだっけな、なんかゼロから始める機械学習みたいな本があったので、そんなのを読んでたんですけど。それを PyTorch でプラクティカルにやってみようって思って。製品としてやったのは、あれが初めてかもしれないですね。一応それまでも、いくつか機械学習のもので、例えば楽譜を自動で音から生成するものとか作ってはいたんですけど。それ以上に、ちゃんとしたものを作ったな、という印象があります。 ──僕、岡本君は生物学を結構メインでやってるイメージだったから、そっちの方までって。  ああ、それはちょっと、悪い友人に歪められただけなので。 ──いや、もうちょっとそれも、何かもしよかったら聞かせてもらったりとか。今やってることとか、何か聞かせてもらえたらいいですか。  今やってるっていうのは、その私の研究とか。あとは今、その歪められたって言ってたから、そういうのに興味を持ったきっかけじゃないけど、関わるきっかけ。生命系の話になるけど大丈夫ですか。 ──全然大丈夫です。  私の中高が、スーパーサイエンスハイスクールっていうふうに呼ばれる、文科省がお金をくれるところだったんですよね。多分ご存知だと思いますけども。 ──そうですね。僕もそこ、SSH でした。  そうなんですね。まあまあ、それはよくて。だからそういうところで、他にもやっぱり、その研究してるメンバーみたいな人がいて。何か、とある子が、大阪大学の SEEDS って分かりますかね。東大の GSC だっけ。高校生向けの講座みたいな。あんな感じで研究できるやつがあって。そこで免疫学の研究をしていた友人がいるんですよね。  私は元々、情報一本でやってたんですが、その人の研究を見て、これええなって思って。気づいたら、そっち側にいたみたいな感じなんですよね。  なんか、あともう一個あるのが、うちの、いわゆる大学附属で、しかも国立みたいなところがあって。なので大学の設備とかいっぱい使えたんですよね。そういうところで、脳波系であったりだとか、そういうふうなものを貸し出してもらって使ったりとか。逆に、私が被験者になったりとか。そういう経験もあって、生体情報であったりだとか、それ以上に人の仕組みだったりとかに興味を持ったっていうのもあると思いますね。 ──今どういうのをやってるのかっていうのを、ちゃんと聞いたことがないなと。高校時代から一貫してそんな感じでやってるんですか。  いや、そんなこともないと思いますね、本当に。だから最初の方は、その音声合成、合成じゃないわ、その楽譜を自動で作るやつを作ったりだとか。ニューラルネットワークで初めて遊んだ時ですけど。あとはやったものだったら、シンセサイザーを作ったりとか。 ──結構、二〇二一年にハッカソンで多言語翻訳。  なんで知ってるんですかね。ありましたね。 ──そういうのをやってるからね。その、音声から移ったっていうのは、それが、今の話がきっかけだと。  そうですね。それの方は結構あると思いますね。今の SecHack は音声に戻ってきましたけど。 ──音楽もなんか結構、エレクトーンフェスティバルとか、なんかいろいろ出られたりとかね。  ちょっと恥ずかしいんだけど。そうですね、なんか音楽だけは昔からやっていたので。逆に、なんかそれ以外できることがない気がするので。今もずっとやってますね。なので、楽器の演奏だけは。 ──楽器はちなみに何が。  ピアノみたいな感じですけど、それの電子楽器バージョンみたいなものをやってますね。他のやつはやめちゃいました。 ──実際に、今までオープンソースとかもやってたのと、生物学とかって交わったりとかするんですか。  いや、結構してると思いますね。多分私、その生物学の領域にいる人間としてはコードが書ける方だと思うんですよね。多分。もちろん、なんか、いくらでもいますよ、すごい人は。そうなんですけど。オープンソースで培った技術であったりだとか、あとなんか、プロジェクトの保守性の話であったりだとか。  研究者、特に生物系とかって、その場で使える解析コードを書いたら OK みたいな感じで。いざ論文を出した数式を見て、それが再現可能かって言われたら、大体できないんですよ。なんでかって言うと、コードが間違ってるから。じゃあ公開してくれ、っていうのが起こる。まあ、それがね、Nature レベルでもやっぱり起きるんですよ、実際に。あれ、今ちょうど一週間前に、再現されても、そんなんでぶち切れてましたけど。  まあ、一回それは置いといて。なんか、そういうふうな時に、じゃあ、なんか逆に、なんか私が関わったものだったら、そういうのを綺麗に保つことができますよ、であったりだとか。オープンソース的な観点だったら、あとは、そうですね。逆になんか、自分がそういうふうなコードを見た時に補修できる、であったり。人のコードをある程度読める能力とかはあると思いますね。  なんか、オープンソースで、まあ、いろんな人のコードを見たりだとか。プルリクエストも、なんかいくつか私がレビューしてマージするみたいな作業も、やっぱりありますから。なんかそういうふうなところで目が鍛えられたのかなとは思いますね。 ──確かに。オープンソースって、意外とそういうところで鍛えられるのかな。  そうですね。そういうふうなことがあるかもしれないですね。 ──今、実際にオープンソースになんかコミット、最近出したりとかってしてますか。  そうですね。最近はちょっと忙しくてできてないですけど。なんかいくつかやりたいなと思ってスターを付けてるプロジェクトは、まあ、何百とあるんですよね、実は。 ──ああ、そう。なんか、さっき GitHub を見たら、めちゃくちゃスターがついてて。  あ、そうか。見れるんか、あのスターは。 ──ああ、二二九とかで。  そうですね。まあ、普通になんか研究で使うものもあった。ただ、なんかこれこうやったら改変できるな、であったりだとか。で、なんか一番上、なんか SpeechBrain とかだったら、これもうちょっとだけ性能最適化できるな、みたいなことを思っていて。コードを見てたら、まあ、そういうのをやっていこう。まあ、やるために置いてますね。 ──そうですね、多分そういう感じの技術的なことを使って、いろんなところで繋がってるっていうところで、割とベースになってるんじゃないかなっていうふうには思います。  そうですね。そこはそう思いますね。 ──もうなんか、知識が多くて。全然知らないことを、いや、ありますって言って出してきてくれるんで、本当にいつも本当に助かってます。 ──今、活動していることって言うと、大学での専攻と、あと他に何をやってるっていうのを、メインでやってるっていうのが。  そうですね。あと、なんか大学での研究活動よりも、他の研究機関とかでの方の活動の方が多いですね。そうですね、なんか、人のつながりで、今も国立情報学研究所の方にはお世話になってますし。今、研究研修生として受け入れてもらっていたり。 ──それは今、生物学の方の分野でやってるっていう。  まあ、そうですね。生物と情報のちょうど狭間くらいかなみたいなところでやってますね。いわゆる、人間を模倣したような、バイオインスパイアードとか、ブレイン、ニューロモーフィックコンピューティングみたいな言葉がありますけど。人の神経活動だったりとか、そういうふうなものを模倣したようなネットワークだったりとか、人の網膜モデルを再現した、とか。いろいろとあるんですけどね。そういうふうなもので性能改善を狙えないかな、みたいなことを考えてますね。 ──全然、私が今、入力も。いやいやいや。そんなつもりは一切ないので。初めてで。あとは SecHack をやってるって感じですか。  そうですね。SecHack もやらせていただいてますね。SecHack はその、音声系で戻ってきて。  なので、技術ベースでやってるんですかね。  やってますね。 ──結構、聞いてた感じ、その岡本君が好きでやってるものと、研究で入ってるものが結構交わってるかなっていう感じのイメージを聞いてて。最初の方に話してた話と結構変わってて、直接聞いたことないんで、できれば聞きたいなというところがあるんですけど、お願いしてもいいですか。  その方は、ちょっとあれを未踏と勘違いして、そういうようなことを言っておけばいいかなと思ったので。恥ずかしい勘違いですが。実際そんなことはなかったですね。ちょっと方針転換はしましたね。  今やってることとしては、音声の保護ですね。今、大川くんもこの動画を録音というか、議事録の方として録音されているけど。こういうのって、私、大川くんっていう名前と、大川くんの声と、今僕が「大川くんで静岡大学だよね」っていう言葉を言うだけで、大川くんの所在とかが全部。すごい大切な個人情報になっていくと思うんですよね。そういったものを保護する技術みたいなものを考えています。  こういうところで、応用先としても、医療だったりだとか、より安全な音声保護であったりだとか。他にも、個人情報っていうふうなものの扱い自体を変えるみたいなところまで、第三としてスコープには入れてますけど。  オープンソースの RVC とかに使ってきた音声合成、あとはそういうふうなところでできた東大の方とか、いろんな人とかから得たそういうふうな情報とかも持ちながら、実装していこうというところになっておりますね。 ──実際に、ポスターを見て、どういうふうにやるんですかっていうのが結構気になったっていうところがあって。あれ、どういう感じで、POC まではできてるって話だったんですけど。あれはどういう技術とかっていうのを教えてもらったり。  いいですよ。詳細に話すと後から変更になった時に困るので、概要だけに。話すと一時間話せますから。  音声っていうふうなものは、なんかもちろん、特徴っていうのがいろいろと、私たち抽出することができるんですよね。例えばですけど、今私が話している声の音程、F0 とかピッチみたいな言葉を使ったりしますけど。であったりだとか。あと、イントネーションであったりだとか。あと、私、結構あるのが、その言葉を話す速度。だから、この単語は早いけどこの単語は遅い、みたいな感じで、結構人によって抑揚みたいなものが生まれるんですけど。こういうふうなものは十分に特徴量として扱うことができるはずなんですよね。  そういうふうなものを、まず音声から取り除くというか、抽出しようというところが最初にあるんですよね。長く話しすぎる。簡単に言いますと、音声から特徴を抽出して、特徴のない音声みたいなものを、人がもう一回可聴になるように合成し直す。そしてもう一つが、権限を持った人が、権限によって一部の音声的な特徴を復元した音声も作成することによって。その用途に応じて、その用途に必要な情報だけを持った音声みたいなものを提供することで、プライバシーの保護みたいなものを目指していこう、という。 ──ありがとうございます。権限の管理とか、どうやって考えてるのかなって、結構パッと聞いた時とか。その、どういう段階とかっていうのが、結構、パッと聞いた時に気になってですね。どういうことを考えているのかなって。  そうですね。逆に私は、そこの鍵の部分が、全然本質。保守は保守だけど、そこまで大事だなと思って、あんまり触ってはなかったんですけど。得た特徴量みたいなものを、普通に鍵を使って、RSA とは違いますけど、暗号化してしまったらいいだけの話で。鍵の保守性みたいなセキュリティの話は、また別途ありますけど。そういうふうなものを適切に管理してあげれば。いわゆるシステムなのか、ファイルエクステンションなのか、まだ分かりませんが、そういったものの実装になるかなと。  ちょっと回答になってるか分かんないですね。フォローアップがあれば知りください。 ──そういう感じになるのかなっていうふうに思ってたので。さすが、そういう感じでできるよね、って話をされちゃうね。 ──そうですね、いろいろ結構やられてるっていうところで。なんか今まで、そういうオープンソースとかも含め、いろいろ活動とかをやってきてて。そういうところでの活動で、課題とか、今まで難しかったこと、そういうところに関わる上で、課題とかって何かあったりしました。それとも現在進行形で。課題とかあると思うんですけど、今感じてるなっていうのは何かあったりしますか。  オープンソースだったら、やっぱりそのコミュニティの育成であったりだとか、開発者のコミュニケーションが、やっぱりすごく難しくなってきますよね。  そうですね、今は大丈夫ですけど。昔だったら、コミュニケーションって基本的に英語を使わないといけないけど、中学生とか高校生の時は全然使えなかったよね、っていう。言語の壁があったりだとか。  コーディングの思想とかも人によってやっぱり異なりますから。このアーキテクチャにこれはダメでしょ、みたいなものを突っ込んでくる人もいれば、動けばよしって言いながらそれをマージする人もいれば。そういうところの、いわゆる理念、コーディングルールみたいなものを、どうしても統一するのが難しいこととかは、今も問題というか。私がまだ上がりたてさんの時かもしれませんが、難しいなというふうに感じてますね。  あとは、オープンソースを使う人たちの倫理というか、そこらへんもしっかりと作っていく必要があるなって思っていて。多くのオープンソースが、いわゆるライブラリだったりとか、結構根本の部分だけど。私が関わるのは結構その実装の部分、というか、実際に作るアプリケーションとかの方のものに関わっていきますので。GitHub とかの、意味のない PR だったりとか、イシューみたいなものが、やっぱり来るんですよね。  そういうところで、いかに利用者側の。利用者側の、なんて言うんだろう。まあまあまあ、そうですね、本当に言葉が出てこない。何かを高められたりとか。私だったら、わざわざ Discord サーバーみたいなものを用意していて、そこで勝手に解決してもらうようなエコシステムを作る、であったりだとか。そういったところは今も課題になってくるのかなって思ってます。 ──結構、オープンソースだからそこの GitHub で完結するのかと思いきや、結構みんな Discord を使ってるイメージがあって。そうですよね、入ってどんどんやってくっていう感じになってて、っていうところで。実際、GitHub 上だけだと完結しないですかね。  できると思うんですけどね、正直なところ。やっぱり分けたいってところはありますね。開発者たちのコミュニティとしての GitHub と、ユーザーのコミュニティとしての Discord みたいな感じで分けたりだとか。  そうですね、そういうのがあった方がいいですし。なんか RVC はちょっと特殊で、ちょっと WeChat の方にコミュニティがあったりとか。開発仕様のね、中国の研究者が主に集まっているようなところがあったりだとか。なんかいろいろとありますね、そういうのが。 ──えー、なるほど。コミュニティってなかなか難しいです。今、言語の話が出てて、そうかそうかと思って。確かに英語とかって難しいです。そうですよね。  最近、本当に中国語メインのプロジェクトも多いですから。読めないなと思いながら、ちょっと勉強しましたけど。RVC のリリースファイルとかみたいな、全部大体中国語で書いてある。今は AI も発達して言語の壁はほとんどないですけど、昔はちょっとそれも辛かったかなとは思いますね。コードの中に書いてあったりとか、最悪ですよ。 ──コストが上がっちゃうから。なるほど。それで言うと、やっぱり AI とか、なんかそういうのが結構最近出てて。結構ああいうのって結構助かる。  そうですね。結構積極的に使おうとは思ってますし、実際使ってますね。オープンソースのプルリクエストに AI をそのまま使うっていうのはあんまりないですけど。例えば、保守性を保つためにコードのレビューをしてもらったりだとか。ミニマムなチェンジとかで、AI がどういうふうに行動するのか分かる部分であれば、任せてしまって自分はレビューだけする、みたいなことも十分ありますね。 ──はいはい。この頃、その AI を使う人って結構、人まちまちで。オープンソース、そうですね、意見が分かれがち。  いやー、そうですよね。 ──どんどん使って、確かに使っていけたらいいなっていうのは。  そうですね。そこもやっぱり、利用者のマインドっていうか、分かりませんけど。アビューズではなくて、ちゃんとした利活用みたいなところの線引きができる、みたいなところは、やっぱり非常に大事だなというふうに思ってますし。  私もちょっと前にやらかしましたけど。AI だけを使ってやってみると、自分の思想とかから外れた、あとは自分の思考の枠組みから外れてしまうと、制御できなくなってしまうというのがよく分かりますので。 ──じゃあ、今の話、聞けたらなっていう。うまくいかなかったりとかの話とか、聞けたらなって。  そうですね。例えばですけど、本当に時間がなかった時に、ひとまず AI に資料の叩きを作ってもらおう、というふうに思って。そうすると、自分自身が予想できる結果じゃないものが、いっぱい出てきてしまうんですよね、生成物の中って。なってしまうのが本当にダメで。  何が必要かって、今になって思うのは、十分なタスクの粒度の分解だったりとか、AI の生成結果っていうのが、自分の認知というか、理解できる範疇にあること。そういうふうな中で AI を利活用していくっていうのは、すごく大切なんだな、っていうふうなことを、そうですね、最近はすごく感じてますし。ぜひとも他の人々とも、そういうふうなことを理解してほしいな、っていうふうに思っていますね。 ──そうか、AI をいろいろ使ってっていうのはある。確かに僕も、その AI を使って、資料とか、ある種プロジェクトに対して貢献しようとしてしまおうとすると、なかなか難しいところがあるっていうふうに感じてて。やっぱりそれを、オープンソースとか、実際にそういうとこだと多くの人が関わってくるんで。確かにあるなっていうのを、今聞いてて、すごい感じましたっていう。  そうですね。やっぱり、いるコミュニティっていうところの育成っていうのが、一番大事ですよね。 ──そういうところだと、なんか最近、コミュニティとか、コードとかでは関わってないくても、なんかそのコミュニティとかに関わったりとか、そういうこととかしたりしてます。  結構してますね、やっぱり。それこそ高校の時からの関わりであったり。皆さん研究をやっていらっしゃる方とかで集まったりだとか。神経系の、海外にもいたりだとか。あと、なんかやってるのは、JOAI、日本人工知能オリンピックみたいなところで、その高校生の育成をしてあげたり、その後のその子たちの研究の面倒を見てあげたりとかしてますね。基本、壁打ちの相手だったりとか。 ──はいはい、してます。なるほど。多分、今まで教えてもらう側から、教える側にっていうところ。  そうなんですよね。 ──コミュニティの関わり方も確かに。オープンソースとかもいろいろあるんで、そういうのができたりするといいですね。  そうですね。はいはいはい。 ──すみません、もうちょっと話せます。あともう少しだけ。岡本君、オープンソースとか結構、いろいろ個人的に、なんかそのコミットはしてないけど、なんか触ったりとか、そういうことを結構してたりとか。  そうですね。結構なんか、自分自身が使うプロジェクトとかはオープンソースのものが多いですし。製品じゃなくてオープンソースのものを使ったりだ。神経系とかでも、例えばなんですけど、ネズミに電極を刺させてデータを取るんですけど。そういうふうなものを使える形にノイズを除去したりとか、スパイクソートみたいなものを行うときには、オープンソースのライブラリみたいなものを用いることがほとんどですよね。  ああいうふうなものって、閉じてなくて、公開されてるものが多くて。なんか、探すときはまず、そのオープンソースを探すみたいな感じだったりする。なんか、これを使うのが当たり前だよね、みたいなものがあったりするんですけど。そうでなかったとしても、結構オープンソースのものを使うことの方が多いですかね。なぜかって言ったら、自分で手を加えられますから。  例えば、エコシステムを作り上げて、一連の作業を自動化しよう、であったりだとか。だからそういうのは、オープンソースで公開してないけど、なんか自分自身でプライベートで持ってるリポジトリみたいなものが、いっぱいありまして。 ──そういうのがたくさんあるんだろうなっていう感じの。リポジトリが、プライベートをめちゃくちゃコミットしてたりとかするんで。そうですね。というところで、実際なんか最近、そのオープンソースを使って、なんかちゃんと作ったのって、なんかあったりします。その、実際オープンソースとして出してないけどっていうのだと。  そう、出してないけど結構いっぱいありますよ。その作ったもの自体は。何があるか。オープンソースのものを裏で使ってますよ、みたいな。それこそ、なんか今回作った SecHack のプルーフオブコンセプトも、裏で動いてるのは、その音声合成の、RVC ではないですけど、とあるライブラリ、オープンソースのものを使っていたりだとか。そうですね、いや、結構使ってると思うんですけど。どういうのが知りたいですかね。 ──本当に最近とかで、全然なんでも。  そうですね、最近だったら、他にも、例えば最近その神経系でのオートメーションを組んだものもありますし。あとはこれは、強化学習とかでちょっと実験してみたときの。これ、なんかよく分からないライブラリを入れた記憶があるんだが。忘れちゃった。  結構なんか、オープンソースって、なんかやっぱりコードが見えている分、正しさが保証されるとまでは言いませんけどね。なんかそういうの、逆に自分で見ることもできますから。一切ブラックボックス化せず、自分のシステムに組み込めるところでは、すごく利活用しやすいものだと思ってますね。 ──使ってて、っていうところで。結構その、神経系でも使うんだっていうところが、正直。  そうですね、結構使いますね。逆になんか、進歴はなんか、逆になんかそういうふうな製品を作ってると、オープンソース思考なのかな、分からないですけど。そういうところがありますけど。一方で、例えば脳波だったりとか、イメージング技術になってくると、あまりオープンソースはないかな、みたいな印象はありますね。 ──もう、じゃあ使うものが用意されて、でもそれを使う。  ですね。なんでかっていうと、その、いわゆる機械が必要じゃないですか。クソデカい、寝っ転がるためのあれが必要ですから。それと一緒に付属してくるんですよ。そうなったら、オープンソースでやるというよりかは、なんかその企業の方で用意したソフトウェアを用いてやる。すでにインストールされている状態でいただく、みたいなことの方が多かったりしますね。 ──やっぱり。ありがとうございます。そうですね、最後ってわけでもないかもですけど。結構今後っていうか、今いろいろコミットとかは結構してて、でも最近できてなかったりって思うけど。今後なんかいろいろ SecHack を通じても、多分こういうのを言った、オープンソースで公開してるとかあると思うけど。なんかそのオープンソースとかについて何か思ってて、なんかこうしたいとか、そういう思いが結構あったと思って。なんか今後、それを通していきたいとかって何かあったりとかしますか。自分の活動として、何かを公開に関わることって。  ぜひとも関わっていきたいですし、できるだけ自分の成果物をオープンにしたいというところはありますので。そういう意味だったら、今までコントリビューターとしての活動が多かったけど、なんか一個、自分のプロジェクトを持ってみたいなところは、みたいなところはありますね。  なんか一個作ったやつが何かあるんですけども、GitHub のスターが一〇〇くらいで止まっちゃっていて。私も最近ちょっとメンテナンスができてないんですよね、そういうふうなものって。なので今後は、なんか的だけ、その責任感あるとは言いませんが、いいプロジェクトをいい感じに保持するみたいなところを目指していきたいし。オープンソース、結局コミュニティの育成がすごく大切だと思っているので。どんなものを公開するかにもやっぱりありますけど。  立場にも立っている、その開発者側と、やっぱりその分離した状態で何かしら用意してあげるとか、そういうところの整理だったりとかは頑張っていきたいなと思っておりますね。回答になってますかね。 ──いや、全然なってます。ありがとうございます。ちなみに、その一〇〇ぐらいで止まってる自分のっていうのが何なのかなっていうのを、今リポジトリをさーっと見ながら。  やめてほしいな。Stable Diffusion の拡張機能みたいなものですね。なんか画像を、あれ、BLIP とか CLIP って分かりますかね。 ──はい、分かります。  あれをなんか、そうですね、組み込んであげて。なんか画像から、そのなんか、テキストプロンプトみたいなものをジェネレートするみたいなものを作って。よくよく考えると、めちゃくちゃ悪用しやすい、すごいものを作っちゃったなと思いながら。そういうふうなものが一〇〇スター。この中学か高校生か、高校一、二年で作った記憶があるんだけど、よく覚えてないですね。 ──やっぱそういうのって、見られるとやっぱ嬉しいというか。使ってくれたりとか、PR とか来たりするんですか。  そうですね。PR 一件来てますね。なんか回した記憶はあります。 ──スターちょうど一〇〇だ。ちょうど一〇〇、キリキリだ。やっぱそういうのって、やっぱスターがついたりとか、やっぱそういうね、メンテちゃんとしなきゃなっていう感じになったりとか、持ち弁になったりとか。それとも淡々と。  嬉しいとやっぱり嬉しいですけどね。なんか自分の作ったものが、確かに有意義なもので、その価値が認められるとは言いませんが。そういうふうなところで嬉しいところはありますけど。別に、スターが多いから少ないからみたいなところよりかは、私はキュリオシティドリブンな、好奇心の方で動いてる人間なので。  まあ、あったら嬉しいけど、まあ、それに関わらず普通に続けていくだろうなとは思います。逆に、スターが多いから継続的にメンテナンスしますかって言われると、それを保証できない。今の自分では保証ができないので。自分がエンジニアになるなら絶対ありますけどね。そうではない気がするので。  そういうところでも、コミュニティの育成としては、共同でメンテナンスできるメンテナーみたいな人を探して、プロジェクトに組み込んでいくみたいなところは、必要になってくるんだなと思ってますね。 ──確かに。そうですね。めちゃくちゃ、なんか今リポジトリ見てて、めちゃくちゃ動いて活発じゃん。全然活発。  ありがとうございます。 ──いやいや、そんな。いやでも、その岡本くんはすごい、その結構いろんな技術に対して方向が向いてて、結構手で触って動かすってことをやってるイメージだったので。  そうですね。逆に、手を動かさないと何も理解できないので。 ──本当そう。なるほど。ごめんなさい、急に来て、タイトルもちゃんと分からないままやってもらって。  いやいやいや。大川くんですから、別に話してても違和感なかったですよ。 [語注] RVC Retrieval-based Voice Conversion。話し手の声を別の声に変換する、オープンソースの音声変換ソフト。 Stable Diffusion 文章から画像を生成するAIモデル。公開されたことで派生ソフトが多数生まれた。 VITS、ベクトル量子化 いずれも音声合成に用いられる技術。VITSは音声合成のモデル、ベクトル量子化は情報を離散的な符号に置き換える手法。 PyTorch 機械学習のモデルを記述・学習させるためのライブラリ。 スーパーサイエンスハイスクール 文部科学省が理数教育の重点校として指定する制度。SSHと略される。 SEEDS、GSC いずれも高校生向けに大学が開く、研究に触れる講座。SEEDS は大阪大学の「SEEDS プログラム」、GSC は東京大学の「グローバルサイエンスキャンパス」。 スパイクソート 脳に刺した電極で記録した信号から、どの神経細胞の発火かを仕分ける処理。 ニューロモーフィックコンピューティング 脳の神経回路の仕組みを模した計算方式。 F0 音声の基本周波数。声の高さにあたる。 SpeechBrain 音声処理向けのオープンソースの機械学習ツール群。 スカッシュマージ 複数の変更を一つにまとめて本家へ取り込む方式。 JOAI 日本人工知能オリンピック。二〇二四年に始まった国際人工知能オリンピック(IOAI)の、日本代表を選ぶ中高生向けの大会。 BLIP、CLIP いずれも画像と言語を結びつけるAIモデル。画像から説明文を作るなどに使う。 国立情報学研究所 情報学の研究を行う大学共同利用機関。NIIと略される。 本文のライセンス:CC BY-ND 4.0。これに加えて、原文の趣旨を損なわない範囲での翻訳と、その公開・配布を許諾する。 聞き手・編 大川貴久(SecHack365 2026 融合駆動コース) https://seikatsushi.0hkawa.net/hen/02/